ボイストレーニングで必ず必要となる「腹式呼吸」

ボイストレーニングで、必ず必要とされるのが、「腹式呼吸」です。
これは、演劇でも歌唱でも同じで、まず、腹筋を鍛え、しっかりした腹式呼吸ができるようになることを教え込まれます。
なにも、専門的にトレーニングする教育機関に限ったことではなく、中学校のコーラス部や、演劇部でも、同じように腹式呼吸を、最初のトレーニングにしているところが非常に多いです。
そのくらい、声を出すために、基礎として重要視されている部分なのだとも言えるでしょう。

多くの人が、なぜ、わざわざ、「腹式」がついているのか?と、首を傾げられるようです。
「呼吸は肺でしているのに、お腹で呼吸するってどういうこと?」という疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
実は、あまり意識していないことですが、実は、呼吸には2つの違った方法があります。

呼吸の方法には、「胸式」と「腹式」の2種類があり、それぞれ、まったく違った筋肉や骨を使っていることが分かっています。
また、性別でも違いがあり、男性は腹式呼吸をする人が多く、女性は大部分が胸式呼吸ですが、妊娠すると腹式呼吸に変化するということも知られています。

「胸式呼吸」は、胸郭と言われる、肋骨周りの筋肉と肋骨を使って、肺を動かす呼吸方法です。
外から見ると、胸式呼吸をしているときは、胸周りの筋肉と骨が動くことから、肩が上下することで分かります。
「肩で息をする」など言う表現は、まさに胸式呼吸で、喘ぐように短い息をしている時の状態を表現した言葉です。

胸式呼吸は、その構造上、あまり、肺を大きく広げることができません。
また、一度に吸い込むことのできる空気の量も腹式呼吸と比べて少なく、その分呼吸数が少なくなりやすいという特徴があります。
一説によると、鼻で息をすると胸式になりやすいとも言われています。
胸式呼吸は、呼吸するたびに姿勢が崩れやすいという特徴もあり、これは、声を出すのに適していません。

一方で腹式呼吸は、腹腔と言われる、お腹の中の空間で、腹筋を使って横隔膜を上下させることで、肺を引っ張って動かす呼吸法です。
腹筋は胸筋よりも力があり、肺は、より強い力で動かされることで、胸式呼吸よりも大きく膨らむことができます。
これによって、大量の空気を送り込むことができるというわけです。
腹式呼吸は眠っているときなど、リラックスしているときに自動的に切り替わるという特徴もあり、精神安定にも大きな効果があることが分かっています。
分かりやすい例を挙げれば深呼吸がその実例です。

大きな声を出す歌唱のためには、大量の空気を一度に吸い込む必要があります。
人間は、声を発すると同時に息を吸うということは、身体構造上できません。

(息を吐きながら吸うことは、まったく不可能ではないのですが、相当のトレーニングを必要とします。ホルンの循環奏法という演奏技術は、この、「息を吐きながら吸う」という方法をマスターした人にしかできません)

同時に、身体を維持するためにも呼吸が必要になりますから、そのための酸素も供給しなくてはなりません。
そのためには腹式呼吸が最も適しているというわけです。

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