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ボイストレーニングの基礎的なこと

ボイストレーニングで一番大切なことは、いかにリラックスできるかと言うものです。もちろん技術的なことも重要なのですが、プロを目指すのでなければ技術うんぬんよりも、いかに自分が自然体で歌えるか、と言うことを意識した方がよいのです。緊張してしまうと体に余計な力が入ります。余計な力が入ってしまうと、声がうわずってしまいますし、何より自分の喉を傷めてしまうことにもなります。この点、プロの歌手を見ても分かる通り、自分がリラックスして歌える姿勢と言うものは、人それぞれです。ですから市販のボイストレーニングの本の中には、正しい姿勢と言うのを解説している間違った本も少なくありません。ですがそもそも、歌う曲によっても、歌う姿勢と言うのは変わってくるわけですから、どんな場面にでも合うような画一的な姿勢などないのです。どの姿勢が自分にとってのリラックスできる姿勢なのか、これをボイストレーニングの過程で試行錯誤するのも、トレーニングの一環です。
また同じようなこととして、腹式呼吸の練習方法にも背筋をぴんと伸ばして、足は肩幅に開いて・・・等と解説する本もありますが、そもそも腹式呼吸に慣れていない人にとっては、これは難しいことです。腹式呼吸は初めの感覚が重要なのですが、胸式呼吸に慣れた普通の人にとっては、なかなかコツがつかめないこともよくあります。ですから、そういう初心者でコツが使えない人の場合、仰向けに寝て息を吸ってみることで、腹式呼吸の感覚をつかむことができます。腹式呼吸のコツをつかめれば、自然とできるようになるのですから、それまでは寝転がってあお向けで練習すればよいのです。これにも従来のような正しい姿勢とは無縁です。
また、自分の歌声をボイスレコーダに撮って、それを元に客観的に分析する方法もおススメです。ボイスレコーダーを持っていない人も、携帯の録音機能を使って代用しましょう。このボイスレコーダーをを使ったトレーニングの最大のメリットは、自分の歌声がどのように周りに聞こえているのか、ということを確認するのに手っ取り早い方法だからです。初めは確かに恥ずかしいかもしれませんが、すぐに慣れるはずです。もちろんデジタルビデオで歌っている映像を撮れば、より効果的な分析ができます。こういった機器を使うことは、普段は気付くことのできない自分のクセを、客観的に発見することができます。
これらを意識して、ボイストレーニングのはできるだけ毎日するようにして下さい。

ボイストレーニングは基盤作り。間違った解釈はいけません。

ボイストレーニングは簡単に言うと「声のコントロールを学ぶ」ということです。ボイストレーニングをしたことのある方でも無い方でも、当然声を出して話したり歌ったりはします。その中で「大きな声がだしたい」「もっと高い声を出したい」「上手く歌えるようになりたい」などといろんな思いが出てきます。ボイストレーニングに興味のある方はそうだと思います。そんな要望が出るのはなぜか、それは「そうするための方法を知らない」ということです。自分の声をどうすれば自分の思った声に出来るかそのコントロールを学ぶのがボイストレーニングです。
よく「ボイストレーニングをすると自分の歌い方が矯正される」「自分の個性が無くなる」などの心配を聞きます。しかし結論から言うとそんなことはありません。咲き位にお話をしたようにボイストレーニングするのは声のコントロールを学ぶことです。コントロールの仕方が分かれば後は自分の声をどうコントロールするかは自分次第です。歌は自由に表現する芸術ですので正解も不正解もありません。一般的に正しいとされる発声法をボイストレーニングで学んで行くことはできます。しかしそれがかならずしも自分の歌に取り入れないと行けないことではありません。ボイストレーニングはこいうい声でこう歌いなさいと規制をしているのではなく自分の声を自由にコントロール出来るようにするための技術です。

例えばあなたが料理を習ったとしましょう。その量にに必要な食材、調味料の量、手順などを習うのではないかと思います。習って自分が覚えた後、自分でまたその料理をつくるときに全く習った通りに作らなくてはいけないのでしょうか?それは違いますね。ある程度慣れてくると自分の好きなアレンジをしたりスパイスを効かせたものにしたりしませんか。もし習った食材に自分の嫌いなものがあればそれは抜くなり変えたりしますね。逆に自分の好きな食材を入れたりします。濃い味が好きな方も居れば調味料を多くしたりしますね。別の調味料にしたり、薄味にしたりといろいろ工夫しませんか。ボイストレーニングも全く同じ事です。

あなたの声をあなた自身であなたの感性で好きな様にアレンジして行きます。そのためのあくまでも基盤に過ぎません。
なのでボイストレーニングで声を矯正したり変わったりというのは全く考えず、しっかり基盤を作ると言った意味でチャレンジしてみるのが一番吸収しやすいのではないでしょうか。