ここ数年、ボイストレーニングを積極的に行う人が増え、ひとつのブームとなっています。人によってトレーニング方法が違いますが、声の出し方を鍛えるという意味では共通項を形成しているのではないでしょうか。
その主なトレーニング方法のひとつして、まずは姿勢や立ち方に関してを固定する方法が挙げられます。猫背な人が今は増えてきていますが、背筋をしっかりと伸ばし、顎を引くところから始まる場合が多いです。まずはこのような正しい姿勢を維持できるようになることで、空気の通り道をしっかりとしたものにします。そして、立つ際も足にできるだけ力が届くようにしっかりと両足を地に付けて立つようにします。そうすることで姿勢が整い、発声における土台ができるように思います。
そして次に、腹筋を用いた本格的な腹式呼吸についてを習得するという段階に差し掛かります。腹式呼吸では、空気を長く出し入れし、まとまった声量と上下に幅広い音域の両方を兼ね備えられるような声を出せるようにすることが目的となります。普段私たちは意識して長い時間呼吸をすることはほとんどありませんが、ここでは強く意識してある程度の秒数を使って呼吸をしていきます。最初は10秒程度が限界に感じる人も多いですが、ここでは20秒、30秒と徐々に用いる時間を伸ばしていくことで腹筋の性能を挙げていくことが重要ではないかと思います。それに伴って肺活量の増加も見込め、スポーツ選手のような状態までは至らなくても、普通の人に比べて格段に腹筋の強さや肺活量が増えてくることと思います。
ロングブレスでの発声が出来るようになってくると、今度は本格的に声域の拡大へとステージが移っていきます。人によって声の高さの幅は個人差がありますが、その人それぞれの限界の音域まで出せるように声域を伸ばしていきます。ここまでやってきたような基本的な姿勢の確認と、徹底した腹式呼吸の方法を維持することで、それまでよりも声域が確実に広がっていくことではないでしょうか。
このような形でボイストレーニングは基本的な所から始まり、実践的な部分まで幅広い鍛錬が必要になってきます。そのいずれの部分かが欠如してしまっても効果的なトレーニングは見込めず、なかなか声域が広がってこないのではないでしょうか。そのようなポイントに注意しつつ、ボイストレーニングを行うことで絶大な効果を発揮することができるようになってくることと思います。