ボイストレーニングに必要なこと、まず初めに身体をリラックスされることです。
歌がうまくなりたいのに、まずは発声なのではないかと不思議に思うかもしれません。
楽器でいうと、声は音で、身体が楽器の本体の部分です。
本体である身体をいい状態に保つことなく、綺麗な音色を発することはできないと理解してください。
良い声を出すため、歌を上手に歌うために有効なトレーニング法をご紹介します。
それは、丹田呼吸法です。
丹田というのは「おへそ」のすぐ下にあり、身体の中心となる部分です。
剣道をする人はわかるでしょうか。
昔の侍達も丹田を意識していたと言われます。
おそらく、現代のスポーツ選手もそのようにしているのかもしれません。
丹田に意識をすると、自然と姿勢が良くなり呼吸の仕方が変わります。
それを気にしながら腹式呼吸を行うと、深い呼吸ができて気持ちが落ち着き、
精神的にリラックスした状態を作り出すことができます。
まず、まっすぐに立った状態から足を肩幅に開き、肩の力を抜き、
背筋を伸ばし、リラックスした状態を作ります。軽く両腕をぶらぶらさせてみてもいいです。
身体が硬ければ、ゆっくりと首を回したり、肩を上げたり下げたりしてみてください。
リラックスできましたか。
顎は引いて、軽く目を閉じます。
背筋を伸ばし、丹田(へそからこぶしひとつ下、膀胱の辺り)を意識しながら、
ゆっくりと鼻から息を吸います。
頭の中で10秒数えながら吸うとよいでしょう。
その時、お尻の肛門をきゅっと締める感じに意識をしながら行ってください。
今度は、ゆっくりと口から息を吐き出します。
身体に溜まった悪いものを吐き出すようなイメージをしてみてください。
ゆっくりと、息を吐き出してください。
その時も、丹田を意識することを忘れないでください。
丹田が分かりにくい場合は、おへそのこぶしひとつ下の部分を手のひらで
軽く押さえながらするとよいでしょう。
吸って、吐いてを繰り返します。
姿勢は、背筋を伸ばし、頭は天からつられるように、
足元は、大地を踏みしめるように、イメージしてください。
丹田呼吸法で、全身がリラックスしているように感じたら、
丹田を意識しながら、一度、発声してみてください。
うまく歌いたいとか、綺麗な声を出したいとか、話す人を意識してとかではなく、
自然の自分の声を発してみます。
どうですか。リラックスした声になりましたか。
上手になる訓練の前に、まずはリラックスした状態で
本当の自分の声を出してみてください。
そこからどう味付けしていくのかは、訓練次第です。
綺麗な声をつくるには、まずはリラックスした身体をつくり、
自分の声に向き合ってみることです。