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ボイストレーニング〜ロングトーンの練習法

ボイストレーニングでなかなかうまくロングトーンがでないという相談を受けることがあります。ロングトーンをしてもすぐに声が震えてしまいうまく響かないという悩みです。この場合舌が長いために声が震えてしまう場合もありますが、多くの場合練習すると安定したロングトーンができるようになりますのでぜひ行ってみましょう。

基本的に歌を歌う時と話すときは出している音の長さに決定的な違いがあります。当たり前ですが話すときは、声を伸ばし続けることはほとんどありませんね。掛け声をかけるときやヤッホーというときは声を伸ばすかもしれませんね。しかし歌を歌う場合は、どうでしょうか。ほとんどが、話すときよりも、声を長く伸ばしていることが多くなってきます。ですから普段は伸ばすことがないので意識して声を伸ばす練習がボイストレーニングでは必要になっていきます。

発声練習法の一つとして下の母音から行ってみることが大切です。「ア」は難易度が高いので「ウ」や「オ」からおこないます。まずは裏声でも地声でもいいので自分の出しやすい音でウーーーーー、やオーーーーーと10秒ほど出してみましょう。これは立った状態でも座った状態でも良いです。慣れてきたらアーーーーーをおこないます。これを、裏声、地声両方交互に行ってみます。大切なのは、声の響きなので響きを意識しておこなうと良いでしょう。頭の中で響くイメージを考えながら、楽な姿勢でおこないましょう。この練習を15分くらいおこなうと声が出やすくなり、震えなくなり安定してきます。

またロングトーンの安定させるには発声時の声を安定させることに等しいといえます。震えてしまう場合は発声時の息を鍛える運動も大切です。息を安定させるということは、吐き出す際の息の量を均一にするということです。

その効果的な練習方法をお伝えしましょう。まず口の前に、人差し指を出します。その人差し指に対して、強さが一定になるように息を吐き続けます。だいたい30秒間、一定の強さで吐き続けることができるようになればロングトーンは必ず安定します。

注意点ですが、ロングトーンの練習はやりすぎると貧血をおこしたり具合が悪くなることもありますのでムリのならない程度に少しづつ練習を行いましょう。また鼻炎の持ち主は、声の響きを保ったり安定感を出すことを多少妨げることもあります。ロングトーンにも、影響することも考えられますので、認識しておくと良いでしょう。

ボイストレーニングの多様性

最近、その美容と健康効果が、俄かに世間の注目を集めているボイストレーニング。元々、アメリカが発祥地で、発声法の訓練として始まりました。あのケネディ大統領もプロのトレーナーの指導を受け、1960年の大統領選に臨みました。私たちの心に残る大統領就任時のスピーチは、ボイストレーニングの成果だったと言う訳です。他にも副大統領のリンドン・ジョンソン、スポーツキャスターCowdy、俳優のフェイダナウェイなど、著名な人々も名を連ねています。このようにアメリカでは、ビジネス界でも導入されている程、大変、ポピュラーなものです。日本では漸く、最近になり認知され始めました。歌手願望の人や既にプロとして活動している人、ビジネス人のためのレッスン教室など、それぞれ個人の目的に合わせて選択出来る場所が用意されています。又、自宅でも気軽に行える教材や、マウスピースなどのグッズも市販品からネット購入品まで、容易に入手出来るようになりました。ボイストレーニングの前の、身体を思いっきり伸ばす、首の軽い前後運動をする、この2つは心身の緊張を解すストレッチの役割がありますので、是非、試してみて下さい。ボイストレーニングを行う上で大事な事は、姿勢や立ち方です。真っ直ぐ背筋を伸ばして、正しい姿勢で立って下さい。猫背気味の人は消化器、循環器、呼吸器など、内臓機能を低下させてしまいます。その猫背で歪んだ背骨の改善に役立ち、肩凝りや腰痛の解消にも繋がります。呼吸の仕方も日常、私達が行う胸式呼吸とは異なり、息を吸った時にお腹が膨らむ、腹筋を使った腹式呼吸が主体です。この方法は歌を歌う時の呼吸法で、息のコントロールが可能になります。タングトリル(巻き舌、ルーと発音します)、リップロール(息を出しながら、唇をプルプルと震わせる)、ロングトーン(同じ音を伸ばす)、ミックスボイス(ミドルボイスとも呼ばれる、地声と裏声の混合)、ファルセット(合唱で歌うソフトな裏声)など、多様に組み合わされた練習法がありますが、中でもリップロールとタングトリルは、特に発音の上達に貢献する練習法だと言われています。発声の練習によって歌の上達や、声の質を高めてくれるボイストレーニングの素晴らしさに、私たちは気付きました。アメリカ同様、芸能やスポーツ界なども含め、マスメディアや医療の現場など、多様なビジネスの分野で今後一層、ボイストレーニングの需要は高まっていくに違いありません。

ボイトレレッスン

私の行っているボイトレを流れに沿って紹介していきます。

1、自分が一番、出しやすい高さの声で何秒間声を出し続ける事ができるかやってみる。
(常に一定の音量になるように。声が震えたりしない事。最初は10秒くらいから初め、最終的には30秒くらいまでできるようになって下さい。声が続かないからといって絶対に喉を絞めて調節したりしない事、トレーニングの意味がありません。
最初は10秒でも精一杯なはずです。喉をしめてできたり、声が震えたり、音量が最初と最後で変わってしまっては意味がないので注意してください。全てお腹でコントロールする必要があります。)

2、今度は段々、声を大きく出していって下さい。(いわゆるクレッシェンド。滑らかに。突然声の大きさが変わったりしない事。声が震えたりしない事。喉で調節しない事。最初は10秒くらいからはじめ、30秒くらいまでできるようになってください。)

3、今度は段々、声を小さく出していって下さい。(いわゆるデクレッシェンド。滑らかに。突然声の大きさが変わったりしない事。声が震えたりしない事。喉で調節しない事。これも最終的には30秒くらいまでできるようになる必要があります。)

4、声を段々、大きく出していったあと、途中から段々小さくしていって下さい。(10秒、20秒、30秒とそれぞれでやってみる)

5、声を段々、小さく出していったあと、途中から段々大きくしていって下さい。(10秒、20秒、30秒とそれぞれでやってみる)

6、今度は声を大きくしていくほうと小さくしていくほうの時間を変えます。
声をだんだん、大きくしていくのに10秒、声をだんだん、小さくしていくのに15秒というふうに、声を大きくしていくのと小さくしていくほうの時間をそれぞれ異なる時間で自分で設定して先ほどの4と5をやってみる。(例;声を小さくしていくのに5秒、声を大きくしていくのに15秒。 声を大きくしていくのに13秒、声を小さくしていくのに7秒。など色々なパターンが考えられます。自分でそれぞれ時間が最大で合計30秒になるまでの範囲で自分で時間を設定してやってみてください。)

7、時間があれば1〜6を繰り返してやる

声が震えたりしてはいけません。といっても最初のうちは10秒だけでも声を維持させる事が難しいはずです。
だんだんとトレーニングを続け、最終的には30秒間くらいできるようになりましょう。
出来る人はそれ以上やってもいいですが、時間を増やすあまり、喉で声を調節するようになっては意味がないので最初は10秒くらいから初め、だんだんなれていくにつれ時間を増やしていくといいでしょう。

尚、喉で声や息を調節してはだめです。うまくできないのはすべてお腹の責任と考えるのです。お腹を使ってうまく声を維持させてみて下さい。

高度なボイストレーニング

一つの音を長時間伸ばすトレーニングをやってみましょう。

1、30秒間くらい声を伸ばす。
2、声を少しずつ大きくしていき、それから小さくしてみます(できるだけ長い時間)
3、声を小さくしていき、それから少しずつ大きくしてみます(できるだけ長い時間)
4、裏声で1〜3までをやってみましょう。
5、声を少しずつ大きくしていくほうを地声でやり、それから小さくしていくほうを裏声
でやってください
6、今度は5の逆で、声を少しずつ大きくしていくほうを裏声でやり、それから少しずつ大きくしていくほうを地声でやってください。
7、同じように5と6の要領で、3の「声を小さくしていき、それから大きくしていく」ほうも裏声と地声を使ってやってみてください。

出来るだけ長い時間出来るようにします。
うまくできない人は裏アイテム「ピンポン玉」を使いましょう。

でも最終的にはピンポン玉なしで出来るようになって下さい。
このロングトーンのトレーニングに終りはありません。

できたらさらに時間を長く、また出来たらどんどん時間を長くしていって下さい。

テープレコーダーで自分の声を聴いてみて、
声が震えたりしていないかチェックしましょう。

次に音感を鍛えるトレーニングを紹介します。

特に曲の途中で転調する曲の場合、音感がないと悲惨な事になります。
あとハモったりする時にも音感がないとうまくハモる事ができません。
いざという時にもしっかり対応出来るように普段から音感を鍛えておきましょう。

1、誰かにでたらめにピアノの音を出してもらい後で鍵盤を触りその音とまったく同じ音を出してみる。
2、色々な曲の耳コピをしてみましょう。(ピアノが弾ける人は耳コピをして実際に自分で弾いてみる)
3、自分の好きな歌手の歌をハモって歌ってみましょう。
4、何かしら楽器を弾けるようになりましょう。楽器を弾いていれば嫌でも音感はついていきます。

※耳コピのトレーニングは重要です。ハモりは最初のうちはうまく出来ないと思いますががんばってトレーニングしてみて下さい。(ちゃんとハモれているかテープレコーダーに録音して確かめましょう)

多くの人はトレーニングをやり続けても効果がでないとすぐにやめてしまいますが、それは非常にもったいない事だと思って下さい。ボイストレーニングをやり始めたからといってすぐに効果がでるわけではありません。

早くても半年、1年以上かかる事もざらにあるのです。
ですからなかなか効果がでなくてもあきらめずにトレーニングを続けましょう。

ビブラート 歌を彩るマジック

姿勢・呼吸法をマスターすると質の良い声を喉に負担をかけることなく出せるようになります。そうした上で表現のためのテクニックを学ぶなら歌に色を添えることになります。
色の添え方は様々ですが、よく聞かれるものにビブラートがあります。ビブラートは音を保ちながらその高さを変えることで、音に広がり・深みを出す方法です。ピアノなどの楽器は一度その鍵盤を叩くと音の高さが変わることはありません。しかし人の声は音の連続の中で高低差をつけることができます。話し言葉でもそうですが、抑揚がなく同じ高さ同じ音量で話し続けることは味気が無いばかりか不自然です。歌も同じです。歌にはほとんどの場合意味を成す歌詞があります。聞く人、時に歌っている自分自身に語りかけているのですから、意味に応じた音量、高低の差が必要なのは当然なことです。
ビブラートをかけるには横隔膜を使った発声で、喉の筋肉を使う必要があります。練習方法にはいくつかありますが、ここでは高低差をつける方法について取り上げます。おなかから出てくる空気を喉という弁を使って音を上下させるのです。喉が単なる空気の通り道のときはまっすぐな声しかでません。まず喉を大きく開き低い音で「アー」と言います。それをすばやく高音まで運び、その後また最初の低音まで戻ってきます。ドレミファソラシドシラソファミレドと一音一音を出すのではなく一連の流れとして低音から高音、高音から低音へと音を運ぶのです。この練習によって喉が声に高低差をつけることを覚えます。
実際に歌の中でビブラートを用いるのには、その曲がクラシックなのかポップスなのかによって違ってきます。クラシックであればほぼずっとビブラートをかけますが、ポップスでは比較的長く音の続くところでしか用いません。いずれにしてもビブラートをかけることそのものが目的なのではなく、曲の伝えんとするところを表現するために用いる手段に過ぎないのでどこでビブラートを用い、どこで用いないかは表現者にかかっていると言えます。
やはりビブラートをかけるためには歌の基礎体力が必要です。声がぶれてしまうのでビブラートっぽくするというのではなく、まっすぐな音を出せる人がオプションとして選ぶ発声なのです。そのため、ビブラートに先立ってロングトーン(同じ音を伸ばし続ける練習)を行って一つ一つの音をしっかり安定させる練習をすると良いでしょう。
そうすれば歌い手は完全に自分の声を操って歌に生気を吹き込むことができるのです。

ロングトーンのボイストレーニング

ロングトーンとは、同じ音の声をなるべく長く出し続ける技術のこと。
「ロングトーンってどんな技術?」と思ったら、まずは本田美奈子さんの「つばさ」という歌を聞いてみて下さい。
この歌の中で、本田美奈子さんは非常に美しいロングトーンを使っています。
「つばさ」は非常に前向きの歌詞ですが、ロングトーンを使うことで人にメッセージを訴える強さが出ていることが解るでしょう。
そう、ロングトーンと言う技術を使うと、歌に説得力が出ます。歌唱力をアップするためには、ぜひとも身につけておきたい技術です。

プロになると、10秒以上長く音を出すこともできるそう。
しかし、このロングトーンは非常に難しい技術で、どうしても音が途中で上がるか、下がるかしてしまいます。
なぜ音が上下してしまって安定しないのでしょう。
これは技術的な問題で、考えられるひとつめの原因は「息を安定して出すことができない状態になっている」ということ。
そして二つ目が、「声帯を安定した状態に維持できていない」ということです。
息が安定しないと、どうしても声がぶれますので、同じ音を出すことができません。
また、声帯の状態を長く保てる技術があるかどうか?も重要です。
同じ声を長く出すということは、声帯も一定の状態をキープし続けなければなりませんので、声帯が安定しているかどうかはとても大事なことになります。
息と声帯、この二つを同じ状態でキープできるかどうかが、ロングトーンを出すことができるコツにつながります。

▼ロングトーンの練習をしてみよう
では、実際にロングトーンの練習をしてみましょう。
まず注意したいのが、「腹式呼吸をすることができているか」ということ。
腹式呼吸ができないと、息をためることができないので、声を長く出すということができません。
腹式呼吸はあらゆる表現方法の基本になりますので、ロングトーンを練習するまえにきちんと身につけておいて下さい。
また、腹式呼吸は横隔膜のトレーニングをすることでより上手になるので、腹筋をトレーニングにくわえてみることもいいでしょう。

それができたら、お腹から声を出す形で「低い声」から練習をしていきます。
低い声をどれだけ引っ張れるかを試してみる。もちろん、音域は一定でなければなりませんので、ここに気をつけながら実施してみて下さい。
そこから、少しずつ音を高くして、同じレッスンを繰り返していきます。
ロングトーンは決して簡単な技術ではありませんので、身につけるまではひたすら練習あるのみです。
ロングトーンを身につけると、色々な音域で使うことができる様になり、歌える歌の幅も広がります。
上手なロングトーンを目指して、トレーニングをしてみて下さい。

インナーマッスルを鍛える大切さ

歌唱力を上げる為には、歌だけを練習していても駄目なことを御存知ですか?
歌というのは、喉ではなく身体で歌うもの。
だから、一流のボーカリストは「身体作り」を欠かしません。
歌を上手に歌うために、毎日懸命なトレーニングを行っています。

例えば、歌を上手に歌うためには腹式呼吸が必要不可欠と言われていますよね。
腹式呼吸をきちんとしておくと、お腹から声を出すことができる様になりますので、プロの歌手はみんな腹式呼吸です。
でも、この腹式呼吸は、きちんと横隔膜を鍛えるためのトレーニングをしておかなければできないものです。
この様に、身体の内側を鍛えるための運動を「インナーマッスル」と呼んでいます。
歌唱力を上げるためには、まずこのインナーマッスルとボイストレーニングのふたつが必要になると考えて下さい。

初めて歌を歌う人が腹式呼吸をしても、巧くいかないことが多いです。
どうしても胸式呼吸になってしまう・・・という人がほとんどでしょう。
でも、運動をしながら練習をしていくうちに、少しずつお腹から声が出る様になります。
腹式呼吸ができる様になれば、ミックスボイスやロングトーンなどの技術を使うことができる様になりますし、また声量だって上がります。
このことでも、インナーマッスルがいかに歌唱力アップのために必要なのかが解りますよね。

▼インナーマッスルを鍛えるには
歌が巧くなるための基本のインナーマッスルは、やはり腹筋。
たくさん腹筋をすることで、確実に横隔膜が鍛えられますので、腹式呼吸ができる様になります。

さらにトレーニングをしたい、という人にオススメなのが「ピラティス」です。
ピラティスは、筋肉を使いながらポーズをとっていくことで、身体を鍛えていくというエクササイズ。
このピラティスでは、呼吸を整えながら行うことが求められますので、正しい呼吸の方法を身につけることが可能になります。
胸式呼吸も腹式呼吸も自在にすることができる様になること、これがピラティスには求められますので、自然に腹式呼吸を身につけられるようになるでしょう。
それだけでなく、ピラティスは身体を使ったトレーニングになりますので、歌手に必要な体力をつくることも可能。
歌うために必要な身体作りをすることができるので、オススメです。
歌を歌うためにインナーマッスルを鍛えたいという人は、ピラティスに挑戦してみてほしいですね。

一見、関係もない様に見える歌と運動ですが、実は密接な関係があり、歌が巧くなるためには「ボイストレーニング」「インナーマッスル」のふたつが必要になります。ぜひ、この二つを並行してトレーニングをしてみて下さい。

腹式呼吸で簡単にカラオケ上達

カラオケ上達にも不可欠な腹式呼吸は、声量アップにもまた声の音域を広げることにも効果を発揮します。
腹式呼吸を身につけることで、息の送り出しが安定します。
これにより、息の強さを変えずに一定に伸ばしたり、最後まで息を使い切ったり、息を強く出したりといったことが可能になります。

まず、自分が寝ているときを思い出してみてください。
もしくは実際に横になってみてください。
呼吸をするたびに、おなかが上下しているのがわかると思います。
横になっているときには、知らないうちに誰でも腹式呼吸を体験しているのです。
大切なことは、息を吸ったときにおなかが膨らみ、息を吐くときにはおなかが縮むというイメージを持つことです。

おなかの中に空気を入れるつもりで息を吸い、おなかの底から息を吐いていくと言ってもいいでしょう。
腹式呼吸を誤解されている方も多いかもしれませんが、本当におなかの中に空気がたまるわけではありません。

では次に、腹式呼吸を実感する方法をご紹介します。
まずはおなかに手を当てて息をゆっくり吐いていきます。
最初のうちは、おなかをへこませていくようなつもりで息を吐きます。
おなかが縮んでもうこれ以上息が出ないというところまで息を吐ききってもすぐに息を吸ってはいけません。
そのまま吐ききったところで止めておきます。
少し苦しくなるまで我慢してみてください。
ちょっと苦しくなってきたところで息を吸う(ブレスする)わけですが、ここが大切なところです。

口から息を吸おうとせずにおなかをパッとゆるめてやります。
あるいは、へこんでいたおなかを開放してやるつもりとかおなかを広げてあげるつもりなどと言ったほうが感覚的にわかりやすいでしょうか?

するとおなかがポンプのように働いて口を軽く開けただけでも深く息が入ってくるのがわかると思います。

ここで意識を向けておいてほしいのは、息を吸っているというよりは、自然に息が入ってくるこの感覚です。
リラックスしてこの呼吸方法を最初から何度か繰り返してみてください。

腹式呼吸の感覚を掴んだら、次に実際に声を出して練習をしてみましょう。
腹式呼吸には、ロングトーンの練習が適しております。

ロングトーンとは、一定の音を伸ばす練習方法です。
どの音程でも構いませんので、同じ息の強さで最後まで吐いていきます。息を吐ききるあたりで息がぶれがちになりますが、最後まで一定の強さで吐ききれるように練習しましょう。
吐ききれなくなったら、おなかを緊張させた状態でしばらくキープするとより効果的です。

腹式呼吸の基本と簡単練習法

腹式呼吸を身につけることで、息の送り出しが安定します。これにより、息の強さを変えずに一定に伸ばしたり、最後まで息を使い切ったり、息を強く出したりといったことが可能になります。

呼吸の方法には胸式呼吸と腹式呼吸の2種類があります。胸式呼吸は、肺の周りの筋肉を使って肋骨を広げることにより肺を膨らませます。胸式呼吸をすると、肩が上下します。

腹式呼吸は、お腹の筋肉を使って、横隔膜という肺の真下にある膜を下げることによって、肺を膨らませます。腹式呼吸をすると、お腹が膨らんだりへこんだりします。

歌に関しては、腹式呼吸の方が呼気が安定するため良いとされております。ただ、変に意識しなくても、息を最後まで使い切ろうとすれば自動的に腹式呼吸になります。

それでは、簡単な腹式呼吸の練習法をご紹介しましょう。

まず、背筋をしっかり伸ばします。親指と人差し指で輪っかを作り、口を丸めて輪っかの中に入れます。
この状態で、ゆっくり息を吐いていきます。もうこれ以上吐けないところまできたら、お腹の力を使ってもう一押ししてみましょう。
本当に吐けなくなったら、お腹の力を緊張させたまま5秒間停止したあと、お腹を楽にします。
お腹の緊張が解かれると共に、自然に息が吸い込まれたと思います。その位置から再びゆっくり息を吐いていきます。

これを繰り返すことで、腹式呼吸に必要な筋肉が鍛えられます。
また、呼吸の練習は酸欠になりやすいので、くらくらする場合は無理をせずにすぐに休んでください。

腹式呼吸にある程度慣れたら、実際に声を出して練習していきます。
腹式呼吸には、ロングトーンの練習が適しています。

ロングトーンとは、一定の音を伸ばす練習方法です。
腹式呼吸の練習に使う場合は、必ず息を最後まで吐ききる事に重点を置きましょう。息を吸いすぎる必要は全くありません。

どの音程でも構いませんので、同じ息の強さで最後まで吐いていきます。
息を吐ききるあたりで息がぶれがちになりますが、最後まで一定の強さで吐ききれるように練習しましょう。
吐ききれなくなったら、お腹を緊張させた状態でしばらくキープするとより効果的です。

しばらく練習を続けることで、腹式呼吸の筋肉ができてきます。

腹式呼吸に慣れてきたら、横隔膜を調整して息を多く出したり、逆にセーブする練習をしてみてください。
実際の歌では、息の量を少なくして歌うところ、息の量を多くして歌うところなど、いろいろな場面が出てきます。
息の量や強さでアクセント・抑揚・強弱・ビブラートをかけたり、いろいろな表現が可能になります。

ロングトーンのトレーニング

歌唱力を判断するひとつとして、ロングトーンが挙げられます。
ロングトーンというのはビブラートと同じで、歌手には必須な要素です。
名前の通り、長く声を伸ばす発声のテクニックです。
ロングトーンをすることで、声を安定して出せるようになりますし、腹式呼吸やビブラートの練習にも応用できます。

ロングトーンは、最初は息が続かないですが、練習をこなしていくうちに何十秒も音を出し続けることが出来るようになります。
ロングトーンをやろうとすると、意識しすぎてあまりにも大量に息を吸い込みすぎる方が多いですが、それは逆効果になり息が不安定になる原因となってしまうので、一度息を吐ききってから自然に息継ぎをすると良いでしょう。

ロングトーンでは、繊細に息をコントロールすることが求められます。
なるべく一定に、長い時間声を発し続けられるように、声のパワーをコントロールしながら練習しましょう。

また、ロングトーンは曲の盛り上がる場面や、テンションが上がる場面を迎える時に使われることが多く、声量が必要であると考えられる方も多いです。
しかし、最初から声を出し過ぎると長く息が続かないので、始めは声量を少し控えめにすると安心です。
ロングトーンが上達してくると、常に一定の声量ではなく、さまざまな変化を楽しむことが可能になってくるでしょう。
始めは弱いけど次第に強く発声したり、その逆の、始めは強く発声するけれども次第に声量を抑えるパターンもあります。

また、ロングトーンはビブラートを取り入れやすい場所になります。
ビブラート初心者のうちは、短い音や音程が変化する場所ではビブラートをかけにくいものです。
ロングトーンならば安定した発声をしやすく、ビブラートを効果的に生かすことが出来ます。
ビブラートは深さや音の振動の幅がさまざまですが、音の高さのピッチを調節するといった練習をすることで、感覚を得やすくなります。

まず、音を半音ずつ上げ下げしてみましょう。
最初はゆっくりで構いませんが、慣れてくると少しずつ音程を変化させる間隔を短くしていきます。
そして、膝でリズムを取りながら、音を揺らしてみることを意識すると、ビブラートの感覚に近づいてきます。
綺麗なビブラートは、一定のリズムで音が揺れていることが多いです。

ロングトーンを頑張って練習しているうちに、ビブラートを意識しなくとも自然に身に付くことも多いです。
まずはロングトーンを鍛えてみることから始めましょう。