歌を上手く歌えるようになりためには正しい呼吸法を身に着けることが大切です。
呼吸法には、腹式呼吸と胸式呼吸とがありますが、一般に歌う時には腹式呼吸がいいとされています。
胸式呼吸は、普段私たちが生活している時にやっている呼吸法で、肺の上部を使って呼吸をする方法です。胸式呼吸法の特徴としては、息を多めに吸ったりはいたりすると、胸から肩にかけてが上下することが挙げられます。
腹式呼吸は、肺の下の部分を使って呼吸をする方法なので、横隔膜の運動も伴う呼吸法です。こちらは、胸式呼吸と比べて、より多くの息を取り込むことができるので、効率的に息の量をコントロールしたりして、長い時間息つぎなしに歌ったりすることが可能になります。それで、歌う時には腹式呼吸がいいとされているのです。
では、腹式呼吸を身に着けるにはどうしたらいいのでしょうか?
実は、人は寝ている時には自然と腹式呼吸で呼吸をしています。それで、仰向けになって腹式呼吸の感覚をまずはつかむようにすると腹式呼吸を身に着けやすくなります。
仰向けになった状態でゆっくりと呼吸をしてみると、お腹が上下に動くのが感じられるのではないでしょうか。
それが、腹式呼吸の感覚です。
では、立った状態で腹式呼吸を行なうにはどうしたらいいのでしょうか。
おへそから指3本分くらい下のところに、「丹田」と呼ばれる部分があります。その丹田を意識して呼吸をすると、腹式呼吸をマスターできます。
まずは、丹田のところをへこましていきながら息をはいていってください。「ふーっ」と少しゆっくりめに行なうのがコツです。
そして、息を出し切ったところで今度はゆっくりと息を吸っていきます。へこんだお腹を自然と元に戻していくような感覚をつかんでください。これを何度か行ないましょう。
この時に、お腹だけが動いているようにしてください。肩や胸のあたりが上下に動いているようであれば、それは胸式呼吸になっていますので注意して下さいね。
次に、腰手をあててください。そして、腹式呼吸をしていきます。この時に今度はお腹だけでなく、わき腹や背中にまで空気を取り込んで膨らましていく感覚をイメージしながら呼吸をするようにします。あてている手に、背中まで膨らみが感じられるようであればきちんとした腹式呼吸ができてることになります。
このような方法で、最初はきちんとした腹式呼吸をマスターできるようになるまで、繰り返し練習してください。
歌う練習も大事ですが、きちんとした呼吸法を身に着ける前に変なクセを付けてしまったら、後でやり直すのが結構大変になります。
それで、まずは正しい呼吸法をマスターした上で、次のステップに進んで下さいね。